今月号は、前回お伝えした昨今のサイバーセキュリティ事故の傾向を受けて、2024年度検討すべき対策の一つであるSA&T(セキュリティアウェアネスとトレーニング)をご紹介いたします。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにより、従業員は前例のない時間をオンラインで過ごすこととなりました。それに伴い、フィッシングや標的型攻撃など、メールを利用して、受信者を起点にした攻撃が非常に増えています。従業員は自宅からリモートでも業務を行うため、セキュリティに対する意識はオフィスと自宅の境界を超えて常に持ち続ける必要があります。今、「どこでもセキュリティ」の文化を浸透させることが重要です。
ネットワーク機器やサーバー等のITシステムに対するセキュリティ対策は、これまでも当たり前のように費用をかけてやってきたわけですが、昨今増加しているこれらフィッシング等のやり口は、セキュリティ対策が疎かになりがちな「人」を対象とした攻撃であるため、企業としては改めて認識しこのための対策を別途打っていく必要があると思います。
このような、人を狙った攻撃への対策として「セキュリティアウェアネス(Security Awareness)」というものがあります。これは、各自が IT セキュリティの問題を認識し、適切な対応を行うことを意図したものです。ただ、あくまで"意識"させるものであるので対策としては不十分です。そのため、実際に”できるようにするためには「トレーニング」がセットで必要になってきます。
これまでも従業員に対してセキュリティリスクに関するビデオの視聴を義務付けるなどのトレーニングは有りました。ただ、この様な古いスタイルのセキュリティ教育では、ますます巧妙化するハッカーの手口に対抗するには、もはや限界がきています。
今回は、FORRESTER ResearchによるSecurity Awareness & Training Solutionレポートの中で近年最も評価の高かったKnow Be4社のプログラムをご紹介いたします。