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コラム 2023.10.27 いまさら聞けない「生成系AI」って何? 【Part 2】

KDDI America

先月はChatGPTの基本を学びました。今月は、以下の内容をご紹介いたします。

  • ChatGPTの活用方法と危険性
  • OpenAIの業務での活用事例
  • プロンプト作成のコツ

I.ChatGPTの活用方法と危険性

 ChatGPTを以下のようなさまざまなタスクへ応用する事で、効率化が可能となります。

 しかし、ChatGPTをそのまま業務で利用するには、多くの危険性があるため十分な備えが必要です。ChatGPTの危険性を学びましょう。

ChatGPTの危険性

● 情報の正確性の保証:
ChatGPTはトレーニングデータから学習した情報を基に回答を生成しますが、情報の正確性を保証するものではありませ ん。時には正確性に欠ける情報や誤った情報を提供する場合もありますので、注意が必要です。

● 機密情報の保護:
ChatGPTはパブリックなモデルであり、センシティブな情報や個人情報の保護には適していません。機密情報を提供する際に は注意が必要です。

● 知的財産の扱い:
ChatGPTの生成されたテキストや応答は、トレーニングデータとして使用されたコンテンツの知的財産権に関わる場合があり ます。他の人や組織の著作権や知的財産権を尊重し、適切なクレジットや引用を行うことが重要です。

● 利用規約と法的制約:
ChatGPTを利用する際には、プラットフォームやサービスの利用規約を遵守する必要があります。特定の用途や業界にお いては、法的制約や規制の遵守も重要です。

● バイアスや倫理的な問題:
ChatGPTは大量のトレーニングデータから学習するため、それに含まれるバイアスや倫理的な問題を反映する可能性 があります。適切なコンテキストや指示が与えられない場合、不適切な回答や偏った意見を提供することもあります。

要約しますと、ChatGPTを利用する際の注意ポイントは以下となります。

【ポイント】
❏ 出力には誤情報が含まれる可能性を疑い、一次情報の確認を併用しながら利用する。
❏ 機密情報が含まれる場合は利用をさける。または汎化・抽象化し、注意して利用する。
❏ 法的なリスクを伴う場合や、怪しい場合は法務担当に相談する。

II. OpenAIの業務での活用

 ChatGPTは個人ユース向けのもので、ビジネス業務においてはさらにセキュアな仕組みが必要です。例えば、Microsoftは企業向けに、Azure OpenAI serviceを提供しています。これはMicrosoft社が提供するクラウドサービスのAzure上にあるAIサービスで、2023年3月からChatGPTが利用できるようになりました。企業向けのAIサービス選定する事で、業務での活用ができる環境が整ってきています。


 ● Stable Diffusion (2022年8月~) イメージを生成
 ● ChatGPT (2022年11月~) テキストを生成

ちなみに、Stable Diffusionとは、ロンドンを拠点に活動するStability AI社が開発した画像生成AIサービスです。現地時間の2022年8月22日にオープンソースとして全世界へ公開されました。Stable Diffusionは任意のテキストを入力することで、そのテキストに見合った画像を短時間で生成してくれます。

 

    実際の活用事例としてはカスタマーサポートセンターでの、問合せ対応業務の効率化があげられます。

      ここでは、AI Chatを以下のシナリオで設定・活用し、うまく効率化を実現することができます。

        III. プロンプト作成のコツ

        プロンプト とは:

         ChatGPTにおける「プロンプト」とは、ユーザーがChatGPTに対して与える入力や指示のことを指します。 プロンプトは、対話の開始や要求の形式を示すテキストや指示の形で与えられます。

         例えば、以下のようなプロンプトをChatGPTに入力します。

         "健康的な食事のコツを教えてください。"
         "この製品の仕様書を教えてください。"
         "英語で「こんにちは」と言うとどうなりますか?"

        プロンプトは、ユーザーがChatGPTに対して何を尋ねたいのか、どのような情報を求めているのかを明確に伝える役割 を果たします。ユーザーが提供するプロンプトに基づいて、ChatGPTは応答を生成します。 プロンプトは会話の流れや意図を制御するための重要な要素であり、適切なプロンプトの設計はChatGPTの出力結果を より望ましいものにする上で重要です。適切な情報や指示をプロンプトに含めることで、ChatGPTの応答がより的確で 有用なものになるでしょう。

        プロンプトを書くときのポイント

         的確な回答を得るには、プロンプトを作る際の工夫が必要です。誤った聞き方では誤った回答が返ってくることもありますので、注意したい部分です。

        ❏ 戦略にしたがったプロンプトを作る

        ● 明確な指示を書く
        ● 参考テキストを提供する
        ● 複雑なタスクをよりシンプルなサブタスクに分割する
        ● GPTに考える時間を与える

        ※戦略に従ってプロンプトを書くとより精度の高い結果が得られるようになります。

        ❏ 少しずつ正解に近づける
         いきなり精度の高いプロンプトを作成するのは難しいです。 プロンプト作成戦略などを参考にしながら、少しずつ期待する結果に近づくようにプロンプトを更新していくと良いでしょう。

        “明確な指示を書く”場合の、悪い例とより良い例です。

        "大統領は誰ですか?"の例における回答はこのような内容でした。

          このように、うまく活用することで、業務においても非常に有益なツールとなりますので、賢く使っていくノウハウやテクノロジーを学んでいきたいですよね。

           今月は以上になります。 ご購読ありがとうございました。

           KDDI Americaの親会社であるKDDI株式会社は2023年9月5日から、マイクロソフトの生成AIサービス「Azure OpenAI Service」を法人のお客さまに対し提供開始しております。

           KDDI Americaでのご提供開始は未定ですが、KDDI Americaはお客様の日々の業務改善・本業貢献をデジタルイノベーションのテクノロジーにより全力でサポートします。

            KDDIアメリカについて
            KDDIアメリカ(本社:ニューヨーク)は、1989年に設立され、以降30年にわたりワンストップのICTソリューションを提供しています。米国に8拠点展開し、サービスエリアは北米だけでなく中南米もカバーしています。
            お客さまに最適なデジタルトランスフォーメーションを実現するべく、近年は、既存のICTソリューションの提供だけでなく、アプリケーション分野におけるコンサル・構築などを強化しています。
            こうした取組みをとおして、お客さまの挑戦を全力でサポートしていきます。

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            執筆者

            Daisuke Mitani

            KDDI America

            長瀬 幸太 / Kota Nagase
            Marketing Associate

            2023年KDDI America, Inc.に新卒で入社。アメリカ合衆国テキサス州のヒューストン大学にて、マーケティングの修士を修了。趣味は筋トレ、テニス、ファッション。高校時代にはテニスでテキサス州ダブルス大会3位に入賞。毎日のようにお目当ての洋服を追い求めている。