Eコマースの台頭や配送ドライバー不足などの課題に対処するため、ロジスティクス業界では、AI、IoT、デジタルツイン、センサーなどを使って業務効率化や自動化をサポートするスタートアップが増えています。
Delivers.AIは、ラストワンマイルデリバリーに特化した4輪の小型自動走行ロボットを開発しています。オンラインデリバリープラットフォームやスーパーマーケット、ダークキッチンなどと連携して、速くそして正確にコンタクトレス配送を行います。彼らはコストの低いセンサーとカメラを用いて、独自の自律技術を開発しており、ロボットの筐体の製造コストは他社比較で数分の1になるとのこと。2020年に創業し、わずか2年で4000の自動配送を成功させています。ヨーロッパを中心に事業展開をしていますが、グローバル市場への進出に関心を持っているとのことで、今後日本の街中でも、このプロダクトを見れる日が来るかもしれません。
ISEEは、グローバルサプライチェーンを現代化するための、AIを活用した自動運転技術を提供しています。主に物流センターなど、一般道の交通ルールが適用されないエリアでのヤードトラック作業を自動化するソリューションで、既にFortune 100の小売企業など複数の企業の物流ハブの自動化をサポートしています。ヤードトラックは、作業が困難かつ危険を伴うので、自動化することで人的リソースを削減し、安全性も担保することができます。彼らは昨年“Autonomous Truck Of The Year”を受賞しており、今後の活躍が期待されます。
今回紹介した技術の他にも、配送に特化したドローンや、ローカルIoTデバイスや5G RFIDタグを使って倉庫内の保管物をリアルタイムで管理できるソリューションなど、ロジスティクス関連の課題を解決するソリューションが複数出てきています。こうしたテクノロジーの浸透によって、今や私たちの生活に欠かせないECやデリバリーが、より使いやすく便利になることが期待できます。非常に活発な動きを見せるロジスティクスのスタートアップ市場に今後も注目していきたいと思います。