言語を選択してください。

ビジネスを導入したい国・地域を選んでください。

お問い合わせ
お問い合わせ

言語を選択してください。

ビジネスを導入したい国・地域を選んでください。

コラム カーボンニュートラルにおけるIT活用の重要性、メリットを詳しく解説(2/4)~従来のレガシー運用の限界~


img

カーボンニュートラルを実現するには、CO2排出量の可視化が必要です。しかし、多くのグローバル企業では、サプライチェーン全体で排出量を算定・開示する際に、海外拠点特有の課題に直面しています。特に担当者からは「CO2排出量の算定方法がわからない」「どこから着手すればよいのか分からない」といった声が多く聞かれます。現地の人材不足に加え、Excelを用いたデータ管理が主流となっていることも課題の一因です。

本記事では課題解決のアプローチとして、カーボンニュートラルにおけるIT活用の重要性やメリットを4回に分けて解説します。特に初めて取り組む方や効率化を図りたい方に向けて、カーボンニュートラルへの方法をわかりやすく紹介します。

2. 従来のレガシー運用の限界

多くの企業ではCO2排出量の管理にExcelを用いていますが、レガシー運用では以下のような課題が浮き彫りになります。

従来のレガシー運用

データ収集・入力の課題

CO2排出量のデータ収集と入力を手作業で行うと、入力ミスや漏れが発生しやすくなります。数値や単位を間違えたり、入力漏れが起こったりすると、全体の算定結果に影響が及びます。正確なデータでないと、排出量の算定結果が実態を反映しないため、削減施策の計画や報告が不適切になる可能性が高くなるでしょう。

一部の企業では入力プロセスを自動化している場合もありますが、多拠点を管理する場合、リアルタイムでのデータ更新が難しく、意思決定が遅れる要因にもなります。

管理・集計の課題

各拠点やサプライヤーのデータが異なる形式や単位で提出される場合、集計前にデータの変換・整備を行う必要があります。統一されたデータ形式を作るためには、多大な時間と労力を要します。

集計作業を自動化しても、データの入力段階での欠損や、集計ロジックや計算式にエラーが含まれている場合、それを検出して修正するには人の手による確認が必要となり、結果として手作業による確認工程が残ることがあります。特にScope3のように、複雑で大量のデータを扱う場合には、効率的な運用の妨げとなります。 

データ品質の課題

排出量を算定するために使用される排出係数は、エネルギー源や地域に応じて異なり、定期的な更新が求められます。Excelの場合、これらを手動で更新する必要があり、反映漏れが起こりやすくなるのが課題です。

またExcelはセンサーやシステムからリアルタイムで取得される1次データを直接、取り込むことができないため、最新情報を活用した分析が難しくなります。過去のデータに基づいた不正確な分析により、誤った意思決定を招くリスクがあります。