先日、東大がChatGPTなど生成系AIに対する見解を出しましたが、アメリカの名門であるスタンフォード大学からもGenerative AIに関するレポートが出されました。386ページにわたる壮大なレポートですが、内容を簡潔にお伝えしたいと思います。
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先日、東大がChatGPTなど生成系AIに対する見解を出しましたが、アメリカの名門であるスタンフォード大学からもGenerative AIに関するレポートが出されました。386ページにわたる壮大なレポートですが、内容を簡潔にお伝えしたいと思います。
1.
AIモデルは急速に大規模化しており、10年前と比較してモデルのトレーニングデータは100万倍以上になっている。2021年と比較しても、画像、映像、言語アセスメントにおいて技術的パフォーマンスの改善など高いケイパビリティを有する。
2.
しかしながらそれらは非常に高価にもなっている。2019年のGPT-2のトレーニングコストは5万ドルと見積もられていたが、2022年PaLMのコストは800万ドルになった。LLMの開発はリソースのゲームになっている。
3.
多くの事業がAIを採用し、2017年と比較してその割合は2倍になっている。AI導入企業はコスト削減、売上向上を報告している。
4.
GithubのCopilotというAIによる自動コーディング機能は人々の生産性向上に貢献している。ユーザーの88%が生産性が向上したと答え、74%が満足度の高い作業に集中できると答えている。
5.
AI関連の求人はすべてのセクターにおいて増加しており、AIの新PhD生は65%が民間企業を選択し、研究職(28%)や政府(1%)よりもはるかに多い。
AIが学術リードから業界リードにシフトされてきているというトレンドを、採用企業割合や求人などによって示しています。その効用だけでなく、AIの議論の際は必ず語られる課題や倫理性についても触れており、2012年からインシデント数が26倍も増加している点や、NLPの公平性とバイアスがトレードオフになる点を指摘しました。
AI領域は、イタリア政府がChatGPT利用禁止令を出したり、AmazonがGenerative AIを対象としたアクセラレーションプログラムを計画したり、ChatGPT for X的なスタートアップが日々生まれていたりと、毎日話題が尽きない状況です。
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一色 望 / Nozomi Isshiki
KDDIオープンイノベーションファンドのアメリカ サンフランシスコ拠点でスタートアップとKDDIの事業創造を目指し、ディールソーシング(投資先探し)と投資評価に取り組み、既存の投資先企業もサポートしながらMUGENLABO Magazineの制作に携わる。
趣味は世の中のトレンドサーチと、美味しいお店巡り、旅行、ジム通い。