言語を選択してください。

ビジネスを導入したい国・地域を選んでください。

お問い合わせ
お問い合わせ

言語を選択してください。

ビジネスを導入したい国・地域を選んでください。

コラム 2023.02.27 新時代の企業間取引、B2B EC ~グローバル市場で勝ち抜くECサイト構築~

KDDI America


 B2CのECと聞くと、すぐにAmazonを代表するプラットフォームが思い浮かぶのではないでしょうか。新型コロナウイルスの感染拡大も相まって、EC市場は拡大を続けるばかりです。
 しかし、B2BのECと聞くといまいちピンとこないのではないでしょうか。本稿では、そんなB2BのECについて、拡大を続け大注目の市場規模やメリットなどについて説明します。

EC, eコマース, electrical commerce, B2B, B2C

Ⅰ.B2BにおけるECサイトとは

 B2B (Business to Business)における ECとは、企業間における電子商取引のことです。企業間における電子商取引は、EDIとECサイトの2つに分けられますが、今回はその中のECサイトについてスポットライトを当てていきます。
 Amazonや楽天など、B2C(Business to Consumer)のECサイトの勃興の影に隠れてはいるものの、B2B ECサイトの業界も着々と進化を重ね、多様化が進んでいます。ECサイトの中でも代表的な形態を、時系列に沿って3つ紹介します。

1.ネット通販型(1990年代~)
ネット通販型という形態は、「アスクル」や「MonotaRO」などのサイトが代表的です。
B2B ECの先駆者とも言える存在であり、それまで閉鎖的であった企業間取引の常識を覆し、納期や価格をオープンにした状態での法人向け製品の通信販売を行うビジネスモデルを確立しました。

2.マーケットプレイス型(2000年代~)
B2B ECのセカンドウェーブともいえるマーケットプレイス型は、ネット通販型とは異なり、複数の卸売業者の製品をWebサイト上で出品するという形態です。2000年代に登場したラクーン社の「スーパーデリバリー」や、オークファン社の子会社SynaBiz社が運営する「NETSEA」などが有名です。

3.自社サイト型(2015年頃~)
多くの卸売業者のECサイト進出を可能にしたマーケットプレイス型は、新規顧客開拓の面で圧倒的な役割を果たす反面、同じサイト上に競合他社の製品が掲載されていることによる価格競争が原因となり、顧客が離脱してしまうというデメリットを抱えていました。そこでB2B ECのサードウェーブとして2015年頃から登場し始めたのが、会員制の自社ECサイト。取引先ごとの販売商品や価格管理の機能はそのままに、自社の製品のみを販売するECサイトを運営する形態です。従来までのネット通販型やマーケットプレイス型との大きな違いとして、ECサイトを自社の業務フローの中に組み込み、電話やFAXによる受注といった従来の業務をECサイト上で完結させることにより、大幅な業務効率化を図ることが可能になりました。さらに、それまで営業担当者を付けることのできなかった顧客への新たな接触機会にもなり得る強みがあるのも特徴です。
また、ネット通販型と大きく異なるもう1つの点として、会員にのみ卸価格を公開するという従来の企業間取引の商慣習を取り入れている点です。これにより、インターネット上での企業間取引における障壁が格段に低くなったと言えます。

Ⅱ.拡大を続けるB2B EC市場

 米国の B2B EC売上は、今年 11.2%の健全な成長を遂げ、1 兆 6,760 億ドルに達する見込みです。マクロ経済の状況は依然として厳しいものの、B2B ECの売上はB2B市場全体を上回ると予想されます。とはいえ、B2B ECがB2B取引に果たす役割はまだ限定的であり、成長の余地は非常に大きいと言えます。
 米国では今年、B2B 製品の総売上高が 16 兆 2730 億ドルという驚くべき数字に達する見込みです。その背景には、経済分析局(BEA)によると、2022年第2四半期時点の米国経済全体のGDPが24兆882億ドルであったことがあります。この規模を考えると、B2B製品の売上に占めるECの割合が比較的小さいとはいえ、膨大な数字になることがわかります。

 一方、経済産業省の公表によると、広義のB2B EC市場規模は2019年時点で353.0兆円、ECの普及率を示すEC化率は31.7%であると示されています。市場規模に関しては前年比2.5%増、EC化率は前年比1.5ポイント増といずれも増加傾向にあります。
 新型コロナウイルスの影響により、令和2020年度の市場規模は334兆円で前年比5.1%減と落ち込んだものの、EC化率は1.8ポイント増の33.5%となっています。
 米国市場においても、日本市場においても拡大を続けていることからも、グローバルで拡大を続けている市場であることが分かるかと思います。

Ⅲ.B2B ECサイトのメリットとデメリット

 ここまでで、EC市場の拡大とその可能性についてご理解いただけたのではないでしょうか。ここからは、B2B ECサイト導入のメリットとデメリットについて説明します。
 まずメリットですが、大きく以下3つが挙げられます。

1.業務負担の軽減
従来の業務フローの場合、在庫の問い合せや納期の回答、受注した商品と数量を手入力し、発注書の処理やその後の保管、請求業務など、数えきれないほどの工数が待ち受けています。
しかし、そこにECを導入することで、受発注業務の工数の大幅な削減が可能です。商品の単位やスペック情報、在庫情報などは全てECサイト上で顧客側からも確認でき、受注情報もすべて顧客側で入力する業務フローになるため、メールや電話での問い合わせへの対応の業務負担が大幅に軽減されます。また、受注情報などは全てデータ形式での保管となるため、過去の受注情報の照会なども容易となります

2.ヒューマンエラーおよびコストの削減
従来の業務フローの場合、電話で聞いた内容から伝票を起こす、数字や文字を目視で確認しながら手入力するなど、ほぼ全ての業務を人力で行う必要があることから、聞き間違いや誤入力などが多く発生しがちです。
そこにECを導入し、人の手によるアナログ形式な業務が減り、ECサイト上で受注内容の管理ができれば、誤発注や誤出荷を未然に防ぐことが可能となります。併せて、従来の業務フローで使用していた紙、コピーや押印作業、書類の保管などのコストも削減することが可能です。作業効率が大幅に上がる分、そのリソースを他の業務に振り分けることもできます。
リソース振り分けの例として、新規顧客の開拓はもちろん、既存商品の改良や新商品の開発など様々な業務に振り分けることができます。さらに、日々のリピート注文はECサイトで受注を行い、提案が必要なオーダーメイド商品などを営業マンがしっかり提案するなど、新しい業務の形を作り上げることも可能です。

3.新規顧客の獲得
取引先以外でも閲覧可能なオープンサイトや、一部の情報以外は誰でもアクセス可能なセミクローズドサイトが対象の話ではありますが、従来の業務フローの場合、営業マンがカタログを持参して新規取引先の獲得に足を運んだり、電話でアポイントメントを取るなど、新規顧客の獲得に多くのリソースを割く必要がありました。
しかし、自社で取り扱っている商品をECサイトを通じて全世界に公開することで、製品カタログをWeb上にそのまま掲載しているのと同等の効果が得られます。また、同時にWeb広告を導入することで、特定の商品や関連する情報を探している企業が、新規顧客となる可能性もあります。ECサイトを訪問し問合せをしてきた企業を見込み顧客とし、積極的に販促活動を行うことで、販路の拡大を見込むことができます。
一方、デメリットはどうでしょうか。以下に2つ紹介します。

1.導入コストがかかる
当然のことながら、B2B ECサイトを立ち上げるにはシステムの導入費用が発生します。特に企業の基幹システムなどとECサイト間のデータ連携はとても複雑です。基幹システムの改修には大幅なコストがかかることもあり得ます。

2.既存顧客へのフォローが必要
電話やFAX、メールなどの従来の方法で発注を行ってきた既存顧客は、新しいECサイト経由での発注に難色を示し、最悪の場合そのまま取引を中止してしまうことも考えられます。ECサイト経由での受発注システムにうまく乗り換えてもらうためにも、マニュアル作成やデモサイトでの操作説明などを行い、これまで取引のあった多くの既存顧客へのフォローも欠かせません。

Ⅳ.複雑なデータ連携もKDDIアメリカにお任せ

 前項に挙げたデメリットにて、「導入コストがかかる」と言及しましたが、KDDIアメリカでは、基幹システムの改修を最小限に抑え、それによって導入コストを抑えることを実現します。
 KDDIアメリカは、難しいECサイトと基幹システムなどの企業システム間のデータ連携についても、EDI( ETL)でのERPとのデータ連携においては、北米で300超のプロジェクトと20年以上の実績、RPAによるデータ連携の自動化においてもKDDIグループで数百社以上の導入実績を有しています。各企業の状況を正確に精査し、ECサイト構築に係るコンサルティングから構築・運用までを一気通貫で提供しています。

Ⅳ.最新脅威への有効な対策とは

 これまでのB2Bは、オフラインのチャネルのみで完結していたかもしれません。オンラインを活用することで、これまで休眠していた顧客だけでなく、開拓できていなかった遠方、小規模顧客との新たな接点を見出すキッカケにもなり得ます。B2B ECサイト市場は今後さらに盛り上がりを見せていくとともに、企業の成長戦略の1つとして欠かせない、重要な位置付けとなることが予想されます。
 KDDIアメリカでは、ECサイト構築をはじめ、業務を可視化・自動化し、お客さまの本業貢献を支援しており、DX推進に今後も注力していきます。

★検討中★上記リンク、リンク先ページ作成後にリンク反映

KDDIアメリカ

KDDIアメリカ(本社:ニューヨーク、CEO:延原 正敏)は、1989年に設立され、以降30年にわたりワンストップのICTソリューションを提供しています。米国に8拠点展開し、サービスエリアは北米だけでなく中南米もカバーしています。

お客さまに最適なデジタルトランスフォーメーションを実現するべく、近年は、既存のICTソリューションの提供だけでなく、アプリケーション分野におけるコンサル・構築などを強化しています。

こうした取組みをとおして、お客さまの挑戦を全力でサポートしていきます。

本件のお問い合わせ

この記事、サービスに関するお問い合わせはお問い合わせフォームからご連絡ください。

執筆者

KDDI America
中田 晃史 / Akifumi Nakata
Marketing Manager

2017年KDDI株式会社に新卒で入社。KDDIにおける事業継続計画(BCP)の策定に4年間従事。各省庁、関係機関との連携体制の構築や、災害時の通信早期復旧および事業継続に係る取決めなどを広く経験。2021年よりKDDIアメリカに出向し、マーケティングを担当。
独・フンボルト大学(ベルリン大学)および法政大学卒。専門は統計学、経済学。