クラウドのチカラで強靭化、米国における自然災害から情報資産を守る

KDDI America 2022年06月30日

 日本に住む人、もしくはそこに拠を構えている企業にとっては、事業継続計画(以下、BCP)、特に自然災害に対するBCPは切っても切り離せない非常に重要な企業課題の1つです。それは、日本が世界でも有数の地震大国であるだけでなく、台風や大雨により引き起こされる洪水や土砂崩れなど、あまりにも多すぎる数の自然災害が発生する国であることが理由に挙げられます。
 
 さて、ここ米国において、災害対策は企業課題ではないでしょうか。

 答えは、米国でも災害対策は「重要な企業課題の1つである」と言えるはずです。
 本稿では、米国における災害被害状況に加え、いかに災害に負けない経営力をITの力で構築し、企業の大事な情報資産を守っていくのか、を解説していきます。

Ⅰ.米国における自然災害の恐ろしさを改めて確認した2021年

 日本に比べて、地震はほとんど発生しないものの、それに匹敵するほどの脅威であり、過去にも数多くの甚大な被害をもたらしているのが、「ハリケーン※1」や「トルネード(竜巻)※2」です。(本来トルネードと竜巻は、その規模によって明確な違いがありますが、本稿ではトルネードと記します。)
 2021年には、12月にケンタッキー州で少なくとも74人が命を落とすトルネードが発生。歴史的な被害が生じました。また、同年9月にニューヨーク州、ニュージャージー州、ペンシルベニア州を襲ったハリケーンアイダによって、少なくとも20名が命を落とし、ルイジアナ州をはじめとする州において約100万戸に停電被害が出るなどした。ハリケーンアイダによる大雨の影響で、ニューヨーク州の一部地域では洪水となり、道路や住宅、さらには地下鉄の一部駅にも浸水、多くの車が水没、さらには大規模な停電も発生するなど、想定を大きく上回る被害が発生しました。

 こういった自然災害が皆さんの会社を襲ったとき、「大丈夫」「自身の会社の情報資産は守られる」と言える体制は構築できているでしょうか。

Ⅱ.クラウドで情報資産をバックアップ

 昨今、多くの情報がデジタル化されています。今までのBCP対策は、通信回線のトラブルでアクセスできなくなるリスクが重視されていたため、オンプレミスのほうが適していると考えられてきました。しかし現在では、通信回線そのものが災害に強くなったことや、データをバックアップできる点から、多くの企業でオンプレミスよりもクラウドをBCP対策に取り入れています。
 オンプレミス運用における最大の懸念点として、大規模災害が発生した際に、自社設備が機能しなくなり、サーバの停止、事業継続が困難になることが挙げられます。無論、コストをかけることでオンプレミスによるBCP対策も実現は不可能ではないですが、多くの企業にとってそれは現実的ではないと言えます。

一方で、クラウドをBCP対策に利用することが昨今のトレンドとなりつつあります。クラウドがBCP対策に用いられる、向いている理由は次の3つに集約されます。

1. データの安全性が確保されている
2. バックアップデータを取得している
3. 低コストで実現できる

 はじめにデータの安全性の確保についてですが、クラウドを利用することで、自社のデータを堅牢で自然災害にも強いデータセンターにて保管することができます。クラウドサービスのデータセンターは、自然災害に強い立地・構造になっているため、非常事態においてもデータの安全性は確保されています。
 次にバックアップデータの取得ですが、これは多くのクラウドサービスで定期的なバックアップデータを取得していることがその理由です。BCP 対策としてデータのバックアップの目的のみでクラウド環境を利用することも可能で、企業の大切なデータ、情報資産が消えてしまうリスクを減らし、大規模災害発生時の事業継続やその復旧を早急に行えるようになります。
 最後に低コストで実現できるという点です。イニシャルコストのないクラウドサービスも多く、毎月決められた金額を支払うことで利用できることはクラウドの大きなメリットです。事実、コスト面がハードルとなりBCP 対策を十二分に行えていない企業は多く、経済的な負担の少ないクラウドをBCP対策に利用することは有効な選択肢になると言えます。

 しかし、クラウドでのBCP対策にも注意しておかなければならない点がいくつかあります。

• ネットワーク切断
クラウドを利用でデータが100%安全となる保証はありません。データセンターは基本的に自家発電設備を備えているとはいえ、大規模停電やネットワーク遮断が発生した際は、自社のデータを利用することはできません。
また、データセンター自体に被害がでないとも言い切れないため、データを別々の場所に保管しておくなど、冗長性を持った BCP 対策を行うことも大切です。
• クラウド事業者に依存するセキュリティ体制
クラウドサービスのセキュリティ体制は、クラウド事業者に依存することになります。信頼できるクラウド事業者を選定し、堅牢なセキュリティを備えているサービスを選ぶことが大切です。
• 比例するバックアップ容量とコスト
クラウドにデータをバックアップする際、その容量と料金は比例するケースが多いです。特に BCP 対策を目的とする場合、バックアップデータの容量も大きくなる傾向があります。
すべてのデータをバックアップ対象にした場合、莫大なコストが発生する可能性があるので、データの取捨選択が大切です。

Ⅲ.BCP視点:クラウドとオンプレミスの違いとは

 ここではオンプレミスとクラウドの違いについて、BCP対策という視点から説明していきます。
 はじめに、データ保管場所、災害時のデータへのアクセス、運用負荷の点において、クラウドがオンプレミスよりも優位であると言えます。これは、オフィスと同じ場所にサーバを設置しているオンプレミスの場合、オフィス共々被災する可能性が高く、復旧が不可能になる可能性があるからです。また、前項でも言及しているとおり、今までのBCP対策は、通信回線のトラブルでアクセスできなくなるリスクが重視されていたものの、通信回線自体の強度が増したことで、BCP対策という観点でクラウドが優位になっています。
 一方クラウドは、オフィスと異なる場所にデータを保管することが可能なため、データ消失リスクを極力減らすことが可能です。また、データへのアクセスについては、災害時オフィスへの出社が困難となった場合でも、クラウドであれば基本的にインターネットに接続してる限りどこからでもアクセスが可能です。
 続いて、運用負荷ですが、災害時のデータ復旧など、ユーザ側で設計から構築までを担う必要がある一方で、クラウドであれば、事業者にて高いSLAに基づいたサービス、仮想マシン、ネットワークで高可用性を提供し、データの冗長化による保護も実施してくれるというメリットがあります。

Ⅳ.クラウド導入の第一歩としてのクラウドバックアップ

 クラウド導入は現代社会のトレンドになってきています。これはコロナ禍で普及したテレワークの普及、拡がるランサムウェア被害、さらに本稿のテーマであるBCP対策も相まってのことです。加えて、日米両政府は企業のクラウド導入を推進しています。

KDDIアメリカ

KDDIアメリカ(本社:ニューヨーク、CEO:延原 正敏)は、1989年に設立され、以降30年にわたりワンストップのICTソリューションを提供しています。米国に8拠点展開し、サービスエリアは北米だけでなく中南米もカバーしています。

お客さまに最適なデジタルトランスフォーメーションを実現するべく、近年は、既存のICTソリューションの提供だけでなく、アプリケーション分野におけるコンサル・構築などを強化しています。

こうした取組みをとおして、お客さまの挑戦を全力でサポートしていきます。

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執筆者
KDDI America
中田 晃史 / Nakata Akifumi
Marketing Manager

2017年KDDI株式会社に新卒で入社。KDDIにおける事業継続計画(BCP)の策定に4年間従事。各省庁、関係機関との連携体制の構築や、災害時の通信早期復旧および事業継続に係る取決めなどを広く経験。2021年よりKDDIアメリカに出向し、マーケティングを担当。
独・フンボルト大学(ベルリン大学)および法政大学卒。専門は統計学、経済学。

中田 晃史 / Nakata Akifumi

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