散在していた様々なファイルをKintoneを使って一元管理
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社内サーバー内にてエクセル、ワードおよびPDFベースのファイルを多く管理していた。
開発関係では、商品リスト、各商品のスペックシート、原材料のスペックシート等があり、これらは、商品ごと、または、原材料サプライヤーごとにフォルダを作成し管理していた。しかし、商品や原材料が増えるにつれ、フォルダを行き来しなければ必要な、または、関連したファイルを見つけられないなど、検索の手間が増えていた。また、開発部門が管理している原価計算書もエクセルベースで作成していたが、原材料スペックシートや商品のスペックシートとはつながっておらず、独立した情報として管理していた。
品質保証関係では、週次で工場・倉庫・建屋のセルフインスペクションを実施していたが、以前は、毎回スマホなどで写真を撮影し、そのデータをダウンロードした後に、エクセルのレポートフォームに後から貼り付けて仕上げていたので、レポート作成に時間と手間がかかっていた。また、過去の指摘事項の是正処置についての進捗確認手続きが煩雑で、どの是正処置が完了しているかがわかりにくいという状況もあった。他の品質保証関係の記録類でも紙での保管が多く、同様に過去の履歴も確認しがたいという状況だった。
開発・品質保証の両面で、同じような情報を違う情報に書き直すという作業も発生しており、この点も作業効率の悪化を招いていた。
上記の通り、様々なファイルが当社内には存在し、その多くは、つながりを持っている。そこで、すべてのファイルを一元管理し、検索しやすく、かつ、つながりを持たせることができるプラットフォームを導入したいと考えていた。また、認証を受けているSQF (Safe Quality Food: 食品安全の国際認証規格の1つ) では特に製品や原材料のスペック、品質保証分野の記録や資料の維持管理も要求事項に含まれていることから、このSQF対策も視野に効率の良いデータ管理を検討したいとも思っていた。
検討時には、他社のデータ管理プラットフォームも検討したが、例えば用途・分野が食品安全に限られてしまうなど、汎用性の観点から当社に合うものは見つからなかった。一方で、Kintoneはスペースの活用等で用途・分野を自由に設定でき、かつ、自分達でアレンジしながらシステムを作成できることが、当社にとってはメリットであると判断し、導入を決定した。
※アプリのイメージ
Kintone導入により、それぞれのデータのリンクが可能となり、かつ、一元管理が可能となった。
開発面では、Kintone上で商品のスペックシートから、使用している原材料やそのサプライヤーに紐付けることができ、簡単に検索できるようになった。原価計算書も、関係する原材料のスペックを直ちに確認。同じ数値を重複して入力する作業も削減でき、ミスも減った。
品質保証面では、スマホやタブレットから画像をセルフインスペクションアプリにアップロードし、現場で直ぐに簡単にレポートを作成。また、日付機能やソート機能を活用し、進捗管理もしやくなったため、修正箇所をスケジュール化して管理している。ソート機能の活用にてPositive observation (肯定的な観察事項) も記録するよう改善し、是正処置だけでなく良い例の水平展開にも活用しており、この点は、SQF監査でも監査員に好評だった。SQF監査においては製品、原材料リストや記録類についても即座に監査員にお見せすることができ、説明もしやすくなった。
Kintoneについてはまだまだ機能を熟知しきれていないため、引き続き有用なアプリ開発をメンバーで進めて作業効率の向上につなげていきたく考えている。
Kintone導入担当のNakashima樣
※ | 掲載された情報は、取材日当時のものです。 |
IMURAYA USA, INC.
本社 |
2502 Barranca Pkwy, Irvine, CA 92606 |
設立 |
2009年 |
2009年4月、「和と自然の味を食に生かし、グローバル企業への成長を目指す」ことをビジョンに掲げ、カリフォルニア州アーバイン市に設立。井村屋の生産技術と品質管理技術を盛り込んだ工場を建設し、井村屋の強みである“あずき”を中心とした和風アイスクリーム、冷凍和菓子等の製造・販売を行い、井村屋ブランドを米国市場に展開中。
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